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Day 1 ぬるっとバンコク

@日本・成田〜タイ・バンコク


成田空港の出航ゲートに並んでいたら、CAがキメ顔でセルフィーを撮っているのが目に入った。格安航空にはこういうのは付き物だが、いいねの数ではなく乗客を数えて欲しいものである。私の後ろに並んでいた女子大生風が、「4時間で着くのかあ」「いや、時差あるから2時間ってことじゃない?」「マジ?タイ近くない?ヤバい」などと話しているのをぼーっと聞いた。

6時間のフライトを経て機外に出ると、ぬるっとした風が身体にまとわりついた。機内で「バンコクの天気は晴れ、32度です。」とアナウンスがあったが、湿度も言うべきだろうと思った。イミグレーションは、出国時のチェックインカウンターで「片道切符しかない場合、タイへの入国を拒否される場合があります。それでも大丈夫ですか?」と言われていたので緊張していたのだが、蓋を開けてみるとジャシ、ジャシとスタンプを押されるだけでぬるっと通過することができた。

空港を出て、バス一本、150バーツ(≒500円)でカオサン通りに到着した。なるほど「バックパッカーの聖地」と言われるだけあり、近辺は屋台、行商、そして世界中からの旅行客でごった返している。

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まずは、「Merry V. Guest House」という素朴なゲストハウスに宿を取った。300バーツでシャワー付きのシングルルームを取ろうとすると、受付の女性に「念のため、部屋の中を見てからにしたら?」と言われたのが意外だった。何だか旅のコツを教えてもらった気がして、室内を見ても見なくてもここにしようと思った。

晩御飯は、「クイジャップユアン」でベトナム風クイジャップを頂いた。

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タピオカのようにモチっとした食感が特徴の麺料理だが、これが絶妙に美味しく、スープも底まで飲み干した。徹夜明けの眠気が少しあったが、ピリっとした香辛料のおかげで元気が出てきたので、ナイトライフを味わうためにぶらつくことにした。

しばらく歩いていて、カオサン通りの一本隣の筋であるランブトリ通りがお気に入りになった。ここは雰囲気の良い飲み屋が立ち並んでおり、それぞれの軒先でミュージシャンが生演奏をしている。

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これを、耳を澄ませて一定の速度で歩いてみる。すると、左耳に聴こえていたエド・シーランの柔らかいギター・デュオ・カバーが少しずつフェードアウトをしていき、右耳から軽快なマルーン・ファイブの弾き語りがフェードインしてくる。それぞれがお互いのサウンド・スケープを干渉しないように、街全体でオムニバス・アルバムを作っているような趣だった。

お酒など飲んでもう少し黄昏ていたかったが、この眠気で酒を入れるととんでもないことになる予感がしたので、ホテルに引き返した。 部屋のドアを開けると、篭っていた空気がぬるっと顔にぶつかった。もちろん、エアコンも、ましてや除湿など無いのである。