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読み込み中にくるくる回るあれ

ジャズとデザインとプログラミング

静けさは嵐のあとに訪れる

日常 芸術

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これは、『ポール=マルリの洪水』という絵画です。 アルフレッド・シスレーが、雪解けによる洪水に襲われたパリのようすを描いたものです。

破壊的な浸水に見舞われた街の風景、というには、あまりにもきれいな青空です。 小舟に乗った2人の街人も、他愛もないおしゃべりをしているようにすら見えます。

『嵐のあとに静けさが訪れる』とはよく言ったもので、あるいは、牧歌的な風景の3分の1を水面が隠すだけで、ちょうど甘いスイーツに塩をひとさじつまみ入れるように、よりいっそう静けさが引き立っているのを感じます。

ときおり、なにか苦しいことが起きたことを想像して、あらためて日ごろの生活に感謝をしたいものですが、嵐が来るまでなかなか気づけないのが私たちの性分なのでしょうか。

キリンジが好きでたまらないあなたへ送るシティポップ

音楽

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みんな愛の歌に背突かれて、与えるより多く奪ってしまうんだ

キリンジ、いいですよね。

あっさりとした歌声、ひねくれたコード進行、横ノリのグルーヴ、そして抒情的な歌詞。 ひとつひとつの曲の吸引力が恐ろしいほどに強く、噛めば噛むほど味が出るので、まったく聴き飽きません。 ひとくせある視点から世界を捉える彼らの目には、いつも「はっ」とされます。

今回はそんなキリンジが好きなあなたへおすすめのアーティストを3組紹介します。 いつか彼らのような気だるいシティポップを書き上げたいなあ。

青いペガサス / Terry & Francisco

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2006年デビューのテリー&フランシスコというグループ。ChicagoのSaturday in the Parkを彷彿とさせるリフが象徴的な爽やかな曲で、ツボを抑えたギターのソロがクールです。しかし絶妙にダサい、グループ名が。

さち子 / Lamp

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こちらは男女混声ユニット。夏の終わりの水平線と甘い潮風――という歌詞から始まる曲にしては、スパイスだらけの甘辛いアレンジ。めちゃくちゃおしゃれです。海辺を自転車で走り出したくなりませんか?

耐え難くも甘い季節 / 冨田ラボ ( feat. 畠山美由紀 )

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最後に、キリンジのプロデュースも手掛けたこの方を外すわけにはいきません。「マエストロ節」が耳に飛び込む浮遊感のある一曲です。現代の日本のシティ・ポップサウンドの完成形といった風情でしょうか。

京都に行ったことはありますか

日常 音楽 旅行

先日、「京都に行ったことはありますか」と職場の先輩に尋ねた。すると、「行きましたよ。たしかに、すごく集中はできましたね。」との返答だった。 どうやら、京都の道はすべて「哲学の道」だと思っていたらしい。 いやいや、京都をなんやと思ってるんですか、と言ったあと、「おや」と思った。

あの、浮かんでは消えるちょっとした思いつきを、ただ気まぐれに掴んで、思考の旅に出る。 おもしろい話のたねが見つかることもあれば、ああ、ここは前にも来たことあるな、と回れ右することもある、あの感じ。 なるほど、東京に来てからあまり「ぼんやり考える」ことをしていない。 どうしてだろうか。すこし京都のことを思い出すと、すぐに「鴨川」と「琵琶湖疏水」が頭に浮かんだ。

つまり、水辺だろうか。そういえば、「哲学の道」の西田幾多郎も海に出かけることで心を静めたという。 気になってすこし調べると、海洋生物学者のウォレス・ニコルズという人のこんな言葉がひっかかった。

www.huffingtonpost.com

... (Wallace J. Nichols, a marine biologist, believes that )we all have a “blue mind” — as he puts it, “a mildly meditative state characterized by calm, peacefulness, unity, and a sense of general happiness and satisfaction with life in the moment” — that’s triggered when we’re in or near water. ...

我々はみな、「ブルーマインド」を持っている。「ブルーマインド」とは、静けさ・安らぎ・絆、そして、今の生活への普遍的な幸福感と満足感に満ちた、ゆるい瞑想状態のことだ。それは、水のそばにいるときに感じるのだ。

ブルーマインドというのはやや胡散臭い響きだが、よし、週末は川に行ってぼんやりしよう、と思うには十分なワードが並んでいる。 しかしそう思ったところで、週末は大寒波だったことを思い出した。 雑念は浄化したいが、こう寒くては安らぐどころではない。 春がやってくるのを、もう少しだけ待つことにしよう。

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